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「なぜ企業の選考は一度しか受けられないのか?」Re-Challenge制を導入し、常識を覆したLINEの技術者採用戦略

クライアント:LINE株式会社 様
導入目的:新卒エンジニアの採用
導入サービス:codecheck

インタビューする企業

LINE株式会社
Data Labs
エンジニア
橋本 泰一 様

2011年3月11日に日本で発生した震災をきっかけに生まれたコミュニケーションアプリ「LINE」は、すでに世界2億人を超えるMAUを抱えるほどに成長。モバイル上のユーザーニーズを統合的に解決するスマートポータルを目指しています。
日々技術の最先端を切り拓く同社にとって、これからを担う新卒技術者の採用そのものが重要な成長戦略と位置付けられています。

その具体的な戦略と手法、そして採用への考え方を技術系採用を担当している橋本様にお伺いしました。

まずは自己紹介をお願いします。

私はデータ分析に関する部署で仕事をしています。LINEが提供するプロダクトのどこがうまくいっていて、どこがうまくいっていないかを確認するためのKPI管理やサービス分析のためのインフラ環境を設計し構築するのがメインですね。

一方、エンジニアの採用にも入社した3年前からずっと関わっています。

関わるようになった背景としては、ミスマッチをなるべくなくしたいという思いからです。「良いな」と思えた方が、実際に入社してもらってから「やりたいことと業務がミスマッチ」して、力を発揮できないということがあります。そういったミスマッチをなくすために、「エンジニアが入社後に活躍してもらうためには、どういうスキルチェックをしたらよいか」と、人事から相談されたのがきっかけです。

エンジニアではない人事は技術的な評価が難しく、自社に合う人かどうかを判断できないという問題は、多くのIT企業が抱えていますよね。

私はたまたま、修士→博士→特任准教授と長く大学にいました。学ぶ側としてはもちろんのこと、プログラミング演習講義などを教える側としても、約9年間、学生と接してきたというキャリアを持っています。そのため、企業人事とは違った視点での学生の方を見てきた経験を活かして、今の採用戦略を改善することを担当させてもっています。

codecheckの導入前はどのような形式で技術面の評価をしていたのでしょうか。

私が採用に携わり始めた3年前は、技術職の新卒採用数自体が5名程度と少なく、技術テストはあったものの、属人的な判断になっていました。現在のスタイルになったのが2年前で、採用の設計段階から「体系化」を試み、採用イベント等への出展などで母集団を増やしました。そこで「選考も体系化する必要があるよね」ということになり、当初は大学の講義でやるような難易度の高い問題を、ペーパーテストで実施していました。

東京や福岡などいくつかの拠点で受験会場を設け、学生の方に集まっていただき、白紙にソースコードを書いてもらっていました。しかし、そもそも技術力のある方ほど、PCで書く方が高いパフォーマンスを出せるものですし、採点する側も非効率なのでこの形式は1年で廃止しました。

次の年は、同じく受験会場を各拠点で設けたのですが、PCを持ち込んでいただき、インターネットを開放して、指定のプログラミングの問題を受験者がやりやすい環境でやってもらう方針に切り替えました。

受験会場でプログラミングをしてもらう形式に切り替えた後も、さらなる課題があったのでしょうか。

当然ペーパーテストのときよりは改善はされたものの、効率化という点ではまだまだでした。受験会にいらっしゃった学生の分だけ、問題が入ったUSBを用意・配布し、解き終わって上書き保存されたUSBを人事が回収し、私がそれを一本一本自分のPCに挿して確認、評価をひとつのファイルで行う、というかなり時間がとられる方法をとっていました。もし仮に受験会場で問題をネット配信した場合、ネットワークのエラーなどが起きたら現場にいる人事も対応が難しいですしね。そのため、USBを使ったアナログな方法をとっていました。

弊社側の採点効率は多少上がり、学生の見極めには効果があったものの、運用の効率はあまり変わらないくらいだったと思います。

一方学生側は、紙よりはましになったと思いますが、慣れた環境で受けられるならとことん追求したいという方も多く、「デスクトップPCを持ち込んでいいですか?」という問合せも稀にありましたね。

そのような技術テストのPDCAを経た上で、さらなる改善としてcodecheckを導入された背景を教えてください。

USBを利用してテストを実施していた際には、やはり運用面に課題が残っていました。特に「自分のPC、慣れた環境で開発をしてもらいたい」ということが完全には実現できていなかったことと、学生の方に受験会場に足を運んでいただく必要があることが課題でした。

当然、遠方からであれば学生に時間と費用を割いていただく必要があります。そのため、遠方に住んでいる学生が弊社を受験する動機が下がります。その時点で我々としては良い学生を逃している可能性があります。なにより機会が平等ではないなと考えていました。

技術テストを場所と時間、そして開発環境に左右されないオンラインでできるようなものはないかと探していたときに、codecheckを見つけたのでお問合せした次第です。

codecheckで技術テストをオンライン化したことにより、変化はありましたか?

そうですね。例年に比べて受験者が多いのは、やはりcodecheckを使っての戦略が奏功していると思います。実際、これまで受験会場まで足を運びづらかった地方の方や、海外の方の応募も増えてきています。

またUSBを集めて集計していた運用面が、すべてデータをブラウザ上で確認でき、さらにcsvでダウンロードできるようになったのでかなり効率化しましたね。

オンラインで受けられる場合、ソースコードをWebで調べてコピペするなどの不正を防げないなど、リスクについてはどう捉えていますか?

インターネットが利用できる以上、問題や解答の流出、コピペのリスクはつきものです。しかし、そのリスクは定常的に問題をアップデートすることで解決できます。

また、参考になるソースコードをWebで調べて生かす、ということ自体はそもそも不正と捉えていません。

エンジニアの方であれば誰もが経験していると思いますが、限られた時間で複雑なプログラミングをする際にWebから情報を調べて実際のコードに活かしたりしますよね。

たとえば、突如エラーやトラブルが起きて、すぐに対応しなければならないというケースを想像したとき、あらゆる手段を活用して柔軟に動けるかというのも、エンジニアとしては重要なスキルだと思っています。だから、限られた時間の中で与えられた問題を解くために、むしろインターネットの力を最大限生かしてほしいですよね。

特に重点的に見ているスキルなどはありますか?

問題の回答に書いているアルゴリズムは結構見ていますね。大学でコンピューターサイエンスをやってきた人には簡単に解けるようなアルゴリズム問題を出しているのですが、ちゃんと勉強している人には有利にはたらくように設計しています。

あとは、実行してみて動かなかったとしても、「良いコード書いているな」とか「知識があるな」とか「学術としての裏付けをわかっているな」という人は評価していますね。

今回、何度も技術テストに挑戦できるRe-Challenge制を導入されたことが話題ですが、その背景を教えてください。

そもそも採用試験が一発勝負だということが変だと思うんですよ。

大学受験とかは、公正を保つために一斉に同時期に精査する必要があるため、一発勝負になる構造になっています。だからこそ受ける側が対策できるような状況が生まれています。でも、採用試験は違いますよね。

学生には、各企業がどのような問題出すのかはわかりませんし、対策できない場合がほとんどだと思います。

また、たまたま体調が悪いとか緊張したとかで、本来のパフォーマンスが出せなかったということがあった場合、それを一度の評価だけでするのは、学生にとっても企業にとっても互いにとって良くないなと思っています。一度目に良いパフォーマンスが出せなくても、次回本当の力を出した上で、基準をクリアするならいいじゃないかと思っています。

そもそも仕事も一発勝負じゃないですよね。ITやWebの領域では、新しいサービスをどんどんつくっていく必要があります。仕事が一発勝負、それが失敗したら人生が変わってしまう、みたいなプレッシャーがあったら、うまくいくものもうまくいきません。

むしろ仕事では、うまくいくまで何度も挑戦するものです。

採用試験も同じような考えでできないかなぁという思いがあり、Re-Challenge制を導入しました。実際に2回目、3回目で通過する人も多くいます。

もし今受けてダメでも、半年後にもう一回受けて、前よりも圧倒的に知識もスキルも上っているのであれば、そこにエンジニアとしての実力、エッセンス、本質のようなものが見出せますよね。なので、「何度も受けたい!」と思って挑戦していただける方は積極的に受け入れていきたいと考えています。

技術テストは年間常に開催されているのですか?

はい。常に応募できるように、タームを設けていて、それぞれのタームでcodecheckを使って問題を出しています。1タームはおよそ1か月間です。

いわゆる通年採用という形式をとっているのですが、就活をするタイミングは一人ひとり違うようになってきていますし、企業側がその動きにあわせていこうという施策です。

理系は大学にいって、大学院いって、就職or博士のどれかになるものだっていう一辺倒なキャリア観だけではなくて、早くから企業で働いて、そこでしか得られない経験やスキルを持つ選択をする人が増えてもいいんじゃないかとも思っています。

いつどういうきっかけで企業に興味を持つかは人それぞれですしね。

仮に早い段階で就活が決まっても、それはとてもメリットがあることだと思います。

学業優先なので必須ではないですが、弊社では希望があれば内定後にアルバイトできるので、早くから実際のサービスに触れることも可能です。

インターンであれば大学1、2年生はもちろん、高校生の参加もあります。年齢的な部分は特に、ボーダーレスの方がいいですね。

今も学生さんの動きにあわせてタームという形で受験タイミングをセッティングしてはいますが、弊社としてはいつ受けてもらってもいいんです。もちろん、どれだけ若い人が受けてくれても構いません。新卒と中途ですら、分け隔てなくできればいいなと思っています。

今後codecheckを活用して挑戦したい試みや、方針があれば教えてください。

外部APIやライブラリを活用したオリジナルの問題を作成してみたいと思いますね。たとえば1GBのデータファイルを与えられて、その負荷に耐えられるものを組めるかとか、大きいデータを扱うことの多い仕事もあるので、検討しています。

もしくは簡単なGoogle翻訳APIを活用して、何かを作ってみましょうとか、アイデアはたくさんあるので、随時問題もアップデートしていきたいと思っています。

まとめ

LINE様では、
・技術選考の完全オンライン化
・Re-Challenge制
・通年採用
という3つの戦略を実施し、新卒採用をより強固にしました。

通年採用で、常に受け入れの門戸を広げておき、さらに時間や場所にとらわれず受けられるオンライン受験の体制を設けることで、幅広い学生へのアプローチを実現。そして何度も挑戦できるRe-Challenge制を導入することで、本来マッチしていたが落ちてしまった人や、高いポテンシャルがある人を逃さず、かつ中長期的な関係性を築く全方位施策となっています。この戦略の背景にはLINE社としての「誰にでも平等に、安心して挑戦できる機会を」という採用への考え方が表れています。

引き続きcodecheckは、LINE社のエンジニア採用の成功に寄与すべく尽力してまいります。

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